夫婦関係が悪化するきっかけとなるのは、浮気や暴力、借金といった大きな問題だけではありません。
日常の小さな夫婦ゲンカがつもりにつもって爆発する……というケースもあります。
そこで今回は、夫婦問題の相談を受けてきたなかでわかった
「夫婦ゲンカのよくある理由」をご紹介します。
「日常の生活態度」
「洋服をリビングに脱ぎっぱなしにするのをやめてほしい」「ドアをしめる時の音がうるさい」「トイレットペーパーがなくなったら補充してほしい」といったことをはじめ、妻たちに日常生活における小さな不満をあげてもらうと、キリがないほどたくさん出てくるもの。
多くの場合、「細かいところに気がつく妻×おおざっぱな夫」という組み合わせで生じる夫婦ゲンカといっていいでしょう。
この手のケンカは、どこの家庭でも起こる、よくある夫婦喧嘩です。だからこそ、引きずらないことが大切です。「そういえば、あの時もこうだった」「ずっと直そうとしない」などと過去のことを蒸し返すと、小さな夫婦喧嘩では済まなくなることもあります。
不満をぶつけて夫婦ゲンカになった後、重苦しい空気をなんとかしたい場合は、自分のほうから先に謝ってしまうのが得策です。ケンカの元となる出来事に対して「良い or 悪い」のジャッジメントをすると謝りにくくなるものですが、「(とりあえず、)気分を悪くしてごめんね」という形でなら素直に謝れるのではないでしょうか。
「コミュニケーション不足」
お互いに忙しい夫婦は、毎晩二人でお酒やお茶を飲みながらじっくり話し合うというわけにはいかないもの。
仕事や家事、子育てにクタクタで、寝室はひとつでもベッドに入るタイミングはバラバラ、という夫婦も少なくないようです。
夫婦関係が悪化している二人に話を聞いてみると、「1日10分も夫婦で話をする時間をとっていなかった」と振り返ることもあります。コミュニケーション不足が夫婦ゲンカを生むこともあるのです。
もしも、この場合の不仲を修復したいなら、アナログな方法でコミュニケーションをとることをおすすめします。
あえて「テレビを消して静かな環境で食事をして会話を楽しむ」「ベッドに入って眠りにつくまでデジタルデバイスは見ずにおしゃべりをする」「生活時間帯がスレ違う時は夫婦で交換日記をしてその日の出来事を報告し合う」など、意識的にコミュニケーションをとる機会をもうけてみましょう。
コミュニケーションの時間が増えることで解決できる問題はたくさんあります。
「お金」
お金はあってもなくても夫婦ゲンカの原因になります。
とはいえ、泥仕合になるのはやはりお金がなくてもめるケースです。
「あなたの稼ぎが悪いから」となじる妻に対し、「妻子がのんきに暮らせるのは自分が辛い思いをして働いているからだ」と威張る夫、というのが典型的なパターン。お金がないことで生じる夫婦喧嘩は、ほかの原因より後味が悪いものです。
お金がないことで起こった夫婦ゲンカを収拾するコツは、「お金」と「幸せ」を一緒に考えないようにすることです。
今の時代、「お金があるから幸せ」でもなければ「お金がないから不幸せ」とも限りません。
自分が大切にしたいことは何かを考えた時、「家族がみんな健康でいられればそれで十分幸せ」「かわいい子どもがいて、そこそこの暮らしができるなら幸せ」というように、お金と切り離して考えられる幸せを感じることができるなら、「ま、いっか」と思い直せるのではないでしょうか。
相手に攻撃的な言葉をぶつけて傷つける前に、“今ある幸せ”に気づくこと。
それが夫婦ゲンカを大きくせずに丸くおさめる秘訣です。
このように、どこの家庭でも起こる夫婦ゲンカにも、それを収めるコツは必ずあるものです。
「自分だけが辛い立場に立たされている」「私だけが苦しい思いをしている」と悲観的にとらえることなく
「みんなも通る道。でも、乗り切る方法は必ずあるから大丈夫!」と前向きに考えましょう。